「引きこもり」とは何か? 私の経験から考える
「引きこもり」という言葉は、ニュースやインターネットなどでよく目にしますが、その実態は曖昧で、人によって解釈が異なるのではないでしょうか。今回は、私の経験を踏まえながら、「引きこもり」について考えてみたいと思います。
各団体の「引きこもり」の定義
厚生労働省は、「引きこもり」を、
仕事や学校に行かず、かつ家族以外との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態
と定義しています。
しかし、この定義は必ずしも全てのケースに当てはまるとは限りません。
例えば、6か月という期間や家族以外との交流の有無は、人によって状況が異なるからです。
また、引きこもりの状態は人によって様々で、
一日中部屋に閉じこもっている人もいれば、
家事や趣味など、ある程度の活動をしている人もいます。
厚生労働省以外にも、様々な団体が「引きこもり」の定義を設けています。
例えば、KHJ全国ひきこもり家族会連合会では、
狭義には、仕事や学校に行かず、かつ家族以外との交流をほとんどせずにいる状態。広義には、就労や就学などの社会参加を回避し、概ね6か月以上自宅にひきこもっている状態
また、NPO法人「全国引きこもりKHJ親の会(家族会)連合会」では、
20歳以上の人のうち、ふだんは家にいて、収入となる仕事をしていない、または行っていない状態が半年以上続いている、さらに趣味の用事や近所のコンビニなどに行く以外は、ほとんど外出してない状態
と定義しています。
これらの定義を見ると共通しているのは、
「社会参加の回避」と「長期間の自宅滞在」という点です。
しかし、具体的な期間や外出の頻度などについては、団体によって多少の違いがあります。
私の場合
私自身、大学に行けなくなり、
誰とも会わずに家に閉じこもっていた時期がありました。
学校には行かなかったものの、家族とは普通に会話をしていましたし、
時には食事の準備もしていました。
食材が足りないときは買い物も行っていました。
そのため、厳密には厚生労働省の定義に当てはまらないかもしれません。
しかし、少なくとも私の母は「引きこもり」だったと認識しています。
将来への不安や絶望感で心が支配されていました。
引きこもりは心の状態
「引きこもり」は、単に家に閉じこもっている状態だけを指すのではありません。
心の状態が深く関わっていると考えられます。
- 外の世界との繋がりが断たれ、孤独を感じる
- 将来への不安や絶望感で心が支配される
- 自分自身を責め、自己肯定感が低くなる
このような状態が続くことは、非常に辛いものです。
私も当時、毎日が苦しく、生きる希望を見失いそうになりました。
大切なのは「定義」じゃない
「引きこもり」の定義に当てはまるかどうかよりも、
今の自分の状況や気持ちを理解し、必要なサポートを受けることが重要です。
もし、あなたが「引きこもり」だと感じているなら、
また自分の家族が「引きこもり」だと感じているなら、
一人で悩まずに信頼できる人に相談してください。
これは非常に勇気がいることですが、第三者ということが大事な気がします。
家族や友人は弱みを見せにくいですし、
専門機関はなんとなく相談しにくいと感じる方もいるかもしれません。
もし、私でお力になれることがありそうでしたら、
以下の【お問い合わせはこちら】からお気軽にご連絡ください。
同じ経験をした私だからこそ、お役に立てることがあるかもしれません。